インフルエンザ

風邪とは別の疾患とされてきました。最近ではインフルエンザが疑われる場合は迅速診断キット診断を使い、陽性反応が出た場合は、抗インフルエンザウイルス剤を服用することになります。

風邪とインフルエンザは症状も原因も症状もはっきり異なります。

「風邪」は、のどの痛み、鼻水、咳(せき)などの症状を伴う呼吸器の急性炎症です。発熱、頭痛、食欲不振などが起こることもあります。健康な人でも年に数回程度かかるといわれています。

1~5日の潜伏期間の後、38℃以上の高熱や筋肉痛などの全身症状が現れます。健康な人であれば、その症状が3~7日間続いた後、治癒に向かいます。気管支炎や肺炎を併発しやすく、脳炎や心不全になる場合もあります。

インフルエンザウイルスには強力な感染力があり、いったん流行すると、年齢や性別を問わず、多くの人に短期間で感染が広がります。日本では毎年11月~4月に流行が見られます。2009年春、いわゆる「新型インフルエンザ」が流行したことは、まだ記憶に新しいでしょう。

インフルエンザの特徴

潜伏期間 1~3日
感染経路 おもに飛沫感染(※)
発症 急激に38℃以上の高熱が出る
症状 悪寒、頭痛、関節痛、倦怠感などの全身症状、咳、痰(たん)、 呼吸困難、
腹痛、下痢などの胃腸症状 など
療養期間 一週間程度

 

インフルエンザの原因

毎年寒い季節に流行するインフルエンザの病原体はウイルスです。

インフルエンザウイルスの種類はA型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルスの3つに大別されますが、私たちの身近で健康被害を及ぼすのは、A型とB型になります。

基本的な形状は外側に膜を持ち、2種類の鋭く細長い突起を持ちます。
このトゲのような部分がタンパク質にあたり、のどの粘膜細胞に結合したり、分離したりする場合に使用するためのものだといいます。

インフルエンザウイルスの感染は飛沫感染と接触感染の二通りです。

飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみからウイルスを含んだ唾液が飛び散り、非感染者の体内に入ってしまうケースです。

接触感染は、感染した人の手などにウイルスが付着しているときに、ドアノブやリモコンなど物質に触れることで感染するケースです。
非感染者がそのものに触れ、その手で自分の鼻や口に接触すると体内に入ってしまいます。

新宿や渋谷など人が多くあつまるエリアでは、その分比例して感染者率が多くなる傾向があるため外出時には注意が必要です。

インフルエンザにかかったかもしれない、風邪のような症状があると感じた際には、早急に内科や耳鼻科(耳鼻咽喉科)を受診しましょう。

 

インフルエンザの予防

インフルエンザワクチン接種

ワクチンは毎年流行が予測されたインフルエンザウイルスに対して、免疫力を高めるために開発されています。

ワクチンの接種は新宿でも多くの医療機関で行っていますが、主に内科、耳鼻科、小児科でも受診することができます。

マスクの着用

マスクは飛沫感染を予防するのに完全ではありませんが、効果的です。

インフルエンザウイルスは喉や鼻の粘膜に集中して侵入するため、解放状態の口や鼻からは容易に入り込みやすくなります。

手洗いとうがい

手洗いは30秒以上を目安に、指の間や指先を細かく洗い流すようにしましょう。

鼻やのどに付着したウイルスは細胞内寄宿するまでに時間がかかります。
付着してすぐのウイルスは、うがいによって洗い流せることもありますので、外出から帰った際のうがいは欠かさずに行いましょう。

加湿

ウイルスは乾燥した条件下では増殖しやすくなる特徴があります。

また床や壁に付着しているウイルスは乾燥上では空気中に舞い上がりやすく、人の体に吸い込まれやすくなります。
このような理由を踏まえ湿度は50~60%を保つことが望ましいとされます。

 

インフルエンザの治療法

最近ではインフルエンザが疑われる場合は迅速診断キット診断を使い、陽性反応が出た場合は、抗インフルエンザウイルス剤を服用することになります。

(抗インフルエンザ薬の吸い薬(リレンザ、イナビルなど)や飲み薬(タミフルなど)を使用します。 )

 

インフルエンザと検査のタイミング

「どんな病気も早めに治療することが重要」と言いますが、インフルエンザに感染してしまった場合も早めに治療を開始することが望まれます。しかし、インフルエンザ検査が早すぎても問題となる可能性があります。

病院でインフルエンザの検査を行う際、発熱から8時間~12時間前後が経過していないと、インフルエンザを発症しているという診断ができない場合があるのです。基本的には、インフルエンザであると診断できない場合、インフルエンザの治療のための薬を処方することができません。つまり、場合によっては早めに病院へ行きすぎたことによって、インフルエンザの治療が逆に遅くなってしまう可能性があるということになります。

そのため、適切な検査結果を出すためには、発熱から半日ほど経過してからのほうが良いとも言えます。

新宿で働いていらっしゃる方やお住まいの方でインフルエンザの疑いがある方は、当院耳鼻科・耳鼻咽喉科をご利用ください。できるだけお待たせしないよう、予約不要でインフルエンザ迅速検査もおこなっています。

夜間にインフルエンザが疑われた場合の対処法

インフルエンザを疑いになったときが「夜間」あるいは「休日」の場合だと、すぐには近くの病院へ行くことができない場合もあります。その他にも「すぐには耳鼻咽喉科や内科を受診できない」という状況にある場合だと、インフルエンザの本格的な治療が遅れてしまいます。その場合、少しでもインフルエンザの症状に対する適切な対処法を実践することで、インフルエンザの症状が悪化するのを抑える必要があります。

まずは、感染の拡大を防ぐことが重要です。感染力の強いインフルエンザウイルスは、同じ家屋内で過ごすご家族を中心に、周囲の人たちに感染するリスクを抱えています。ご家庭内でもマスクを着用し、ご家族に感染しないように接触を最低限にする等の対処をしましょう。

次に、発熱や下痢の症状によって失われる水分を十分に補給することです。スポーツドリンクよりも「経口補水液」をオススメしますが、とにかく脱水症状を防ぐためにも十分な水分補給を行うようにしましょう。こうした自体に備えて、あらかじめ経口補水液やスポーツドリンクを常備しておくと、飲料を切らしてお茶をわかせない時にも手軽に水分を補給することができます。

食事に関しては、よく言われている「消化に良いもの」で、胃腸にも負担をかけないよう気をつけましょう。

インフルエンザの療養のためには、室内の環境を改善することも重要です。インフルエンザウイルスが好む「乾燥した空気」をなくすため、加湿器を使って50%前後の湿度にコントロールすることが望まれます。室温は20度以上に保ち、安静にして十分な休息をとりましょう。

インフルエンザは、安静にしていれば数日で回復することの多い病気であるため、これだけで体調がかなり改善されることも多いです。しかし、あくまでも「病院へ行くことができない場合の応急処置」であるため、夜が明けたり平日になったら、早めに耳鼻科を受診してください。症状が治まっているように見えても、完治しているとは限りません。ご家族やご友人、職場の方々に感染してしまわないように、しっかりと治療することが重要です。

新宿にお勤め・お住まいの方でインフルエンザの疑いがある方・既に発熱などの症状が見られる方は、当院耳鼻科をお気軽にご利用ください。