梅毒

梅毒とは

梅毒という昔の性感染症というイメージがあるかもしれませんが、むしろ近年では急激に感染者が増加しており、とくに若年層で感染が広がっています。

現在は梅毒の治療法もあるため、早期発見によって治療が可能です。 しかし、治療法が見つかる1940年代までは不治の病と呼ばれ、多くの人が梅毒によって命を落としました。

梅毒は感染してもすぐに症状が現れるわけではなく、症状が現れたとしても自然に一時的に改善してしまうため、 感染していることに気付けないことも少なくありません。

その間にも細菌は体内で増殖しており、時間を掛けて症状を進行していきます。

現代では命に関わる状態まで悪化する前には気付くことができ、
治療をすることも可能です。

原因

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌に感染することで発症します。感染経路は、性行為や性行為に似た行為による接触感染です。

感染者の体液や血液に梅毒トレポネーマが含まれているため、粘膜同士が接触する性行為や皮膚の小さな傷口から細菌が侵入してきます。 性行為だけではなく、口に傷ができていれば、キスから感染することもあります。

梅毒トレポネーマは熱や乾燥に弱いため、粘膜や体液から離れると生存が難しくなります。 そのため、食器やタオルの共有などからは感染することはほとんどありません。

また、妊娠中に感染していれば、母子感染が起こります。 母子感染によって起こる梅毒を先天性梅毒と呼びますが、妊婦検診を行うことで予防することができます。

症状

梅毒トレポネーマは3~6週間の潜伏期間を経て発症します。 他の性感染症とは異なり、発症してから時間を掛けて段階的に症状が現れることが特徴です。

発症時期によって症状が異なり、症状は第1期から第4期までに分けることができます。

第1期(感染から3週間)

感染箇所に「初期硬結(しょきこうけつ)」や「硬性下疳(こうせいげかん)」と呼ばれるしこりが生じます。 多くの場合はしこりに痛みは感じられません。

また、感染部位周辺のリンパ節が腫れることもあります。
これらの症状は数週間で自然消滅しますが、完治しているわけではありません。

第2期(感染から3カ月以上)

第1期の症状が無くなると、梅毒トレポネーマは血液によって全身に運ばれていきます。
そして、「バラ疹(ばらしん)」と呼ばれるピンク色のバラの花びらのような痣が顔や手足、体に生じます。

また、「丘疹性梅毒疹(きゅうしんせいばいどく)」と呼ばれる小豆ほどの大きさの赤褐色の丘疹も生じます。

それ以外にも発熱や倦怠感、喉の痛み、脱毛など全身にさまざまな症状が現れます。 こうした症状は数カ月~3年で自然に消え、その後は無症状が続きます。

第3期(感染から3年以上)

皮膚や骨、筋肉などに「ゴム腫」や「結節性梅毒」と呼ばれる硬いしこりが生じるようになります。 ただし、現在日本では第3期まで進行する前に治療されることが大半です。

第4期(10年以上経過)

梅毒トレポネーマに血管や神経が侵され、末期症状となります。 死に至るようなこともありますが、現在では第2期までの段階で治療が行われることがほとんどです。

検査

症状などを診察で伺い、梅毒の疑いがある場合には検査を行います。 健康診断や妊婦検査でも梅毒の検査を行います。

検査方法は、採血による血液検査です。 ただし、感染から3週間ほど経過しなければ正しい結果が出ない可能性があるため、 感染の機会から4週間ほど経過してから検査を受けてください。 また、梅毒に感染しているとHIVに感染しやすくなるため、HIV検査も追加で行うこともあります。

治療

梅毒に感染している場合には、ペニシリン系の抗菌薬を使用します。一般的には内服薬で治療を行い、毎日継続して飲み続けます。 第1期であれば2~4週間、第2期であれば4~8週間の服用が目安です。

症状がなくなっても体内には梅毒トレポネーマが潜伏している可能性もあるので、必ず再検査を受けて感染状態を確認するようにしましょう。

治療中にはパートナーに感染しないようにするためにも性交渉は控えてください。

当院の診療内容

当院泌尿器科では、梅毒の検査と治療を保険診療もしくは自由診療しております。

保険適応であれば、治療代だけでなく薬代も自己負担が3割になります。 当院では、保険診療なら検査費用は2000円程度、薬代は30日分で1000円程度です。

新宿西口徒歩1分、南口徒歩2分の場所にあり、働くお忙しい方のために、 お待たせしない泌尿器科外来を目指しておりますので、お気軽にご相談ください。